ロシアによるウクライナ侵攻に抗議の声をあげましょう

全印総連の組合員のみなさんへ

ロシアによるウクライナ侵攻に抗議の声をあげましょう

 ロシアは2月21日、ウクライナ東部の親ロシア派地域の「独立」を承認、24日には、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。これによって多くの方が日常生活を奪われ、命を奪われています。200万人以上が国を追われ、難民となっています。直ちに停戦すべきです。
 プーチン大統領は「NATOの脅威への対抗」と強調し、ウクライナ東部地域の「要請」をうけた「集団的自衛権」と主張しています。しかし、そんな議論は成り立つものではありません。国連憲章第2条では、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇または武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも、慎まなければならない」と書かれています。どんな理由があったとしても、一方的に戦争を仕掛けることは許されない、これが世界のルールです。また、他国の領土の一部を一方的に「独立国」と認め、その国との「集団的自衛権」というのは、詭弁でしかありません。
 さらにプーチン大統領は、他国に手出しをさせないために、核兵器部隊に「特別警戒」命令を出し、全世界を核で脅しています。原発への攻撃も行いました。チェルノブイリや福島第一原発のような大事故を引き起こしかねない行為です。
 そのうえ、印刷、出版で働く私たちにとって重大なことは、「うその情報を流したメディアは厳罰する」という大統領令に署名したことです。政権が認める「真実」以外を報道すれば罰せられるのであれば、報道の自由はなくなり、国民は本当のことを知ることはできません。
 二重、三重に暴挙を重ねるプーチン大統領に対して、断固抗議するものです。

 いま、世界中で、日本で、無数の抗議の声が上がっています。デモやスタンディングが取り組まれ、SNSでも、「NO WAR」の声があふれています。こうした世論が、主権を守るためにたたかっているウクライナ国民や、弾圧に屈せず反戦の声をあげているロシア国民を勇気づけ、政治を動かしています。国連ではこの問題で、総会特別会合が緊急に開かれ、ロシアによるウクライナでの武力行使の停止、軍の「即時、完全、無条件撤退」を求める非難決議を、141カ国の賛成で採択しました。ロシアに対するかつてない経済制裁も実施されています。
 日本では、ロシアのウクライナ攻撃を利用して、日本国憲法9条は無力だとしたり、「核共有」すべきだという議論が横行しています。こうした議論は、国連憲章や日本国憲法の精神――「力」に対して「力」で対抗するのでは、多くの悲劇が起こることになる、だから、紛争があったとしても戦争に訴えるのはやめようというのが、国連や、日本国憲法の精神であることを忘れているのではないでしょうか。
 日本がするべきことは、憲法9条を生かした平和的、人道的支援をすすめること、唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約に批准して、核兵器廃絶をすすめることです。
 かつて日本が起こした戦争では、アジアで2000万人以上、日本人310万人以上の命が奪われました。報道の自由が奪われ、メディアはこぞって戦争に協力することになりました。この歴史を想起し、私たち印刷・出版労働者は、世界の人々と連帯して戦争に反対し、平和と民主主義を守るために行動していきましょう。

2022年3月14日 全印総連中央執行委員会