全印総連2024年春闘討論集会 春闘アピール
24春闘で、なかまを増やして大幅賃上げを実現しよう

 年明けには日本の実質賃金が20カ月連続マイナスが報じられた。昨年、全印総連のなかまは4半世紀ぶりに平均で6000円に迫る賃上げを得たが、物価高騰が長く続くもとで実質賃金を上向きにするまでにはなっていない。
 一方、資本金10億円以上の大企業の内部留保は511.4兆円に上り、この14年間で1.8倍に増加した。実質賃金は同じ14年間で29.4万円下がった。賃上げの抑制と大幅なコスト削減が、大企業の内部留保を積み増した。
 コストカット経済の行き詰まりは明らかだ。「失われた30年」――。1990年代に20%台だった非正規率はいま40%に迫り、最低賃金制度が拡大した地域間格差や、ジェンダーギャップを含んだ社会保障制度とともに、低賃金構造がつくられた。
 しかし、政府・財界は、「成長の果実が分配に回っていない」と「目詰まり」が問題だとする。価格転嫁ができない「儲からない産業」から「儲かる産業」へと産業リストラを促している。政府・財界は「新しい資本主義」を掲げ、「構造的賃上げ」に円滑な労働移動が必要だからと、リ・スキリングで労働者の自己責任で雇用市場の競争を求めている。彼らが言う「働き方の自由」は、労働基準法をも障壁とみなしており、労働法制が及ばない職場は置き去りのままだ。
 年明けの能登半島地震の被害の実態が明らかになりつつある。二次災害である災害関連死や厳しい避難生活が続くなかで、被災者の困難は深まっている。政府が進めてきた公務公共サービスの縮小・削減、正規職員を非正規職員に置き換えて、ケア労働者の処遇改善を抑えてきた新自由主義路線の転換が必要だ。地震大国の日本で原発の安全神話は許されない。謙虚に科学的見地に立ち、原発再稼働を見直すべきだ。
 そして、私たちの産業は岐路に立っている。労働者と職場の要求実現をめざす労働組合のたたかいが、産業の未来を決定する。24春闘のあらゆる取り組みで、なかまを増やし要求実現の力にしよう。ストライキを背景に経営と交渉し、たたかいを前進させよう。
 すべての争議の早期解決をめざし、労働者の雇用と人権を固く守って闘おう。
 私たちは、24春闘で、賃金の大幅引き上げ・底上げ、最低賃金全国一律制度の実現、「三位一体の労働市場改革」反対、ハラスメント根絶、ジェンダー平等実現、憲法改悪阻止、気候危機防止、原発ゼロ、社会保障の充実、消費税を直ちに引き下げ・廃止、インボイス中止、裏金作りに明け暮れ、憲法を踏み破る敵基地攻撃能力をともなう大軍拡を進める政治から、憲法をいかす政治・社会を求める。
労働組合のたたかいで「賃金が上がる国」へ。
24春闘勝利めざして、私たち全印総連は、団結してたたかおう。


2024年1月21日
全印総連 第228回拡大中央委員会