公正な取引と適正価格で持続可能な印刷出版関連産業に!

~印刷用紙・資材値上げの価格転嫁に理解を呼びかけるアピール~

2022年1月
全国印刷出版産業労働組合総連合会

 いま、私たち印刷出版関連産業をとりまく状況は、ますます厳しさを増しています。
 2021年11月、製紙各社は相次いで2022年1月以降の印刷・情報用紙価格値上げを発表しました。値上げ幅は15%に達する製品もあります。また原油価格の上昇によりインキ・CTPなども高騰しています。
 私たちは、印刷出版関連産業における公正な取引環境と適正価格の実現のために、印刷用紙・資材の値上げが価格へ転嫁されることに発注者のみなさまのご理解をいただくよう呼びかけます。

 もちろんそれぞれの企業では製造コストを低減する一方、品質を向上させ、作業の効率化を図るべく、日々努力が重ねられています。しかし、現状は、個々の企業の努力だけでは到底追いつけない危機的な状況にあります。

 印刷出版関連産業の継続と発展には、労働者の雇用を守り労働条件を向上させること、設備を更新すること、作業環境を整備することなどが欠かせません。そして、そのためには原資が必要です。労働者への適正な賃金と事業を継続させるための適正な利益を確保する、適正な価格設定が求められます。
 印刷出版関連産業は中小零細企業によって支えられています。印刷出版関連産業が持続可能であるためには、原材料価格の上昇、労務費の上昇などが価格に反映されることが欠かせません。価格転嫁ができない場合、コストの上昇分は下請け企業にしわ寄せされ、下請けとなる中小零細企業の経営を危ぶめることになります。

 メディアが多様化し、デジタル媒体への転換が進み、需要が減少しているとはいえ、今後も新聞や書籍をはじめとした紙媒体・紙製品が暮らしを彩る役割を果たすことは変わりません。印刷出版関連産業に働く仲間は、そうした生活を豊かにするための重要な製品をつくる仕事に誇りと自負を持っています。産業の未来のためにも、労働者や下請け企業のみに負担を強いるようなことは避けなくてはなりません。

 印刷出版関連産業にかかわるみなさまに呼びかけます。取引慣行の改善と適正価格で持続可能な産業を実現しましょう。コストの上昇は適正に価格転嫁されるよう公正な取引を求めます。