全印総連は、文字活字文化シンポジウムを今年は10月25日に都内で開催し89人が参加しました。2010年国民読書年から行ってきたこのシンポも今年で第5回、新聞労連、出版労連と共催の企画です。
今回は「どうつたえる?読む愉しみ」というタイトルで、本や記事を読んでもらう側から文字・活字文化を考えるものとなりました。
メインのパネル討論の前には知的書評合戦「ビブリオバトル」を行いました。
新聞労連・副委員長の高橋直人はサスペンス小説『裏切りのステーキハウス』、全印総連はあかつき印刷労組の菅沼慎也さんは『一五歳からの労働組合入門』、出版労連・中央執行委員の石塚幸子さんは出生前診断といのちの選別などについて書かれた『誰も知らない私たちのこと』を、それぞれが熱弁をふるい紹介しました。
その後、どの本を一番読みたいと思ったか、参加者全員が投票を行いチャンプ本には『誰も知らない私たちのこと』が選ばれました。
「パネル討論」は前MIC議長の日比野敏陽さんがコーディネーターを務め、①新聞の書評担当記者の森原龍介さん(共同通信)、②図書館司書の萬谷ひとみさん(新宿区立中央図書館)、③書店員の小柳茂さん(三省堂書店)から、読む愉しみをつたえるためにどんな工夫をしているか、電子書籍について、今後の本や新聞、書店や図書館のあり方などについて、話をしていただきました。
「面白い本、何か考えるきっかけになる本を今後も書評で紹介していきたい」
「本を探す力が弱まっているように感じる。そのお手伝いをしていきたい」
「本を通じて本に出合ったり、本を通じて人と人をつなぐコミュニケーションの場を提供していければ」などのお話が印象的でした。
また、視覚障害の方にやさしい音声付のデジタル書籍など電子書籍の利点も紹介されました。
「ビブリオバトル」も「パネル討論」も楽しい雰囲気で、笑いあり爆笑もあり、知的欲求を刺激する愉しい時間が過ごせた有意義なシンポジウムとなりました。
「ビブリオバトル」で熱弁をふるう菅沼さん
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