6月8日、53人の参加で第12回円卓会議が東京・文京区民センターで開催されました。今回は経営や業界団体から19人が参加され、初参加も4経営ありました。
冒頭に、長年、円卓会議の世話人を務めていただき、今年1月にお亡くなりになった壮光舎の竹内元社長に黙祷を捧げました。
円卓会議の呼びかけ人である三省堂印刷の月岡政雄相談役から「自分の会社が自分たちの産業がこれからどうしていくのか、知恵を出しきれる会議にしよう」と挨拶があり、出版労連大谷委員長と全印総連加藤委員長からも主催者を代表して開会の挨拶が行われました。
日本大学商学部名誉教授の永山利和氏から、今日の公契約について報告があり、全印総連から是村副委員長と出版労連の前田能成副委員長から電子書籍、オンデマンド印刷の可能性や取次・流通、著作権などについて問題提起がありました。
報告や問題提起を受けての討議では、三省堂書店からは書店にオンデマンド印刷機を入れた経過と狙いについて、モリサワからは電子化への新しい展開の報告、東京グラフィックサービス工業会からは自費出版の電子化、競り下げ方式の問題点などについて話がありました。
金羊社からは大手へプライスリーダーとしての役割を論ずる前に冷静な分析をして話をしていかないとかみ合わなくなってしまうと指摘がありました。東京印書館からは価格競争から離れることを目指しているなどの話があったほか、三省堂印刷、神奈川機関紙、新協印刷、童心社、アルファデザイン、きかんし、京橋紙業の方からも発言がありました。公契約などの問題にかかわって東京土建世田谷支部からも報告をもらいました。
最後に公的な機関およびこれを巡る事業改善によって産業秩序を改めていくために、公共発注側にも来てもらう円卓会議を開いてはどうかという提起とともに、国民的な議論が必要だろうという永山先生のまとめで終了しました。
報告する日本大学商学部名誉教授の永山利和氏
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