全印総連第75回大会宣言
全印総連は、7月5日と6日、静岡県熱海市で第75回定期全国大会を開催した。1日目の討論はグループに分かれて少人数でお互いの思いを共有しあう形をとり、全員が討論に参加できる大会となった。2日間の討論で、新しい分会の結成や、春闘のたたかい、平和の取り組みなど、各地の奮闘が交流された。
全印総連では、新しい分会の結成があるものの、印刷産業全体の縮小のなかで、組合の消滅や脱退もあり、21世紀に入って半減し、組合員3000人を割り込む事態となっている、一方、労基署などに寄せられる相談ではハラスメントの件数が年々増えており、労使関係が築かれない職場で泣き寝入りしている労働者は多いと想像される。労働者を守るためには、たたかう労働組合が大きくなることが必要だ。先進的な経験に学び、労働組合の存在を知らせ、組合員を増やすことに力を注ごう。
大変な物価高を実感する日々だ。25春闘を経て賃金は額面の上では上昇しているが、物価高には追いついていない。いまでは、月150時間の労働で普通の暮らしをするためには、最低でも時給1700円以上が必要だ。そのためには中小企業の賃上げへの国の支援が欠かせない。また日々の買い物で実感するのは消費税の高さだ。消費税は企業の経営を圧迫するものであり、所得の低い人ほど負担が大きい庶民いじめの税金だ。暮らしをよくするためにも、経済をよくするためにも、消費税の減税、廃止が必要だ。昨今は特にコメが高くなっている。この大本は、農家に減反・減産を強いてきた農政だ。コメの価格保障で生産者を援助し、安定した価格で消費者に提供する国民の食料を守る政策こそ必要だ。
昨年の総選挙で与党が少数になった結果、高額療養費の自己負担引き上げの計画がストップした。国民の声で国の政策が変わる条件が生まれている。参議院でも与党を少数に追い込めば、私たちの願いが実現するチャンスがさらに広がる。参院選挙では、必ず投票に行き、私たちの暮らしをよくする政治に変えていこう。この間、ネットでフェイクニュースが広がり、投票行動に大きな影響を与えている。情報源をSNSだけに頼るのでなく、広い視野から学び、真実を見極めていこう。
今年は戦後・被爆80年。核兵器禁止条約の署名国は94カ国となり、昨年は日本被団協がノーベル平和賞を受賞した。私たちが長年取り組んできた平和運動が、世界の大きな流れとなっている。その一方、今年誕生したトランプ政権は、一方的な「相互関税」を実施、虐殺を続けるイスラエルを支援、イランへの一方的な攻撃など、国際的なルールを無視してやりたい放題だ。日本政府はアメリカ言いなりに軍事費を増やしているが、トランプ政権はGDP5%(約30兆円)へと要求をエスカレートさせている。このままアメリカ言いなりで外国を攻めるためのミサイルなどを買い続ければ、その分暮らしの予算を減らされることになる。ミサイル爆買いより、消費税の減税・廃止、賃上げへの国の援助を、医療を守る、日本の農業を守る運動に参加していこう。
全労連やMICの仲間と連帯し、働くルールとまともな雇用を職場に確立させ、ジェンダー平等と雇用格差の是正、言論・表現の自由を掲げ、働く者の権利と人権、平和と民主主義社会を守る闘いを進めよう。
第75回定期全国大会で議論し、確認した方針に基づいて、要求に固く団結し、教訓と課題をそれぞれの組合に持ち帰って、職場と地域、産業を変える新たな闘いを歩みだそう。
上、宣言する。
2025年7月6日 全印総連 第75回定期全国大会

