全印総連2025春闘アピール

 25春闘へ、要求を高く掲げて行動しよう。豊かな生活と人間らしく働く職場と産業をつくるため、ストライキを構え交渉力を高めて、大幅賃上げを実現しよう。

 賃上げを期待する声は強い。財界は賃上げと消費の好循環をと言うが、大企業の内部留保は過去最高を更新し、四半世紀に及んで実質賃金は低下している。「お膳立て」の賃上げ交渉では私たちの生活改善も日本経済の明るい先行きも期待はできない。
 労務費、エネルギー費の価格転嫁の遅れや資金繰りを圧迫する商取引慣行、小規模事業者の取引きにのしかかるインボイス制度など、中小企業の課題は多い。経営の見通しや企業努力をただす交渉も必要だ。25春闘の闘いで産業課題を前進させよう。
 公共サービスや社会保障が市場競争に切り売りされている。雇用移動が宣伝され雇用不安が増すなかで、だれもが物価高に負けない賃上げを得なければ、25春闘に勝利したとは言えないだろう。分断と衝突ではなく、団結と連帯で、社会を支える私たち労働者の労働条件を引き上げよう。

 12月に発表された労働組合の推定組織率は16.1%、約6人に1人となった労働組合の運動のカギは、ともに闘うなかまだ。労働組合にまだ入っていない労働者を巻き込むような運動を展開しよう。要求を軸になかまを増やし、豊かな生活をつくり、職場を変える要求実現の輪を広げよう。どうしたら交渉を有利に進められるか、どう闘うか、なかまと知恵を出し行動参加の輪を広げよう。

 人手不足が深刻な職場で人間らしい働きかたが問われている。財界が思い描く「新しい時代の働き方」は、労使コミュニケーションを「隠れ蓑」に、労働基準法を見直して労働時間規制をゆるめる方向を求めている。しかし、労働組合が機能していない職場で、現行の36協定や労働者代表制度が脱法的に運用されている。私たちは人たるに値する働きかたをさらに求め、労働基準法制の改悪に断固反対する。
 また、職場での働きかたの点検の強化が労働組合に求められる。たゆみなく職場の安全衛生活動を推進しよう。いかなるハラスメントも許さず、働く者の誇りと人権を脅かすものと闘おう。そして、すべての争議の早期解決をめざそう。

 今年は戦後80年・被爆80年にあたる。石破政権は米軍と一体の大軍拡を進め、9条改憲を公言する。軍事ブロックの対立が世界で深まるなか、昨年ノーベル平和賞が日本被団協に贈られた。日本政府は核兵器禁止条約に参加するべきだ。平和な世界は働く者の生活と権利の礎でもある。戦争も核兵器もない平和な社会を求めよう。
 昨年総選挙で政権与党が後退し、新たな政治状況が生まれた。全国一律制にする最低賃金法の改正ほか、制度政策要求が実現する可能性が広がっている。今年は参議院選挙がある。財界と癒着した政治を変えて、働く者の暮らしを守る政治の流れを強めよう。

 デジタル化と人手不足がのしかかる職場と産業に、旗幟鮮明に労働者の要求を掲げ、全国の全印総連のなかまは、全ての印刷関連産業に働く労働者の先頭にたって闘おう。

2025年1月19日
全印総連 第231回拡大中央委員会