6月18日、東京都内で「ことばの力・活字の力―読もう、本と新聞を― 文字・活字文化6・18シンポジウム」が開催され、218人の参加者で会場が埋まりました。
これは、昨年の国民読書年に開催されたシンポの第2弾として開催され、講演は作家の椎名誠さん、パネリストには毎日新聞社・世論調査室長の桜井茂さん、札幌南高校司書の成田康子さん、コーディネーターに週刊金曜日発行人の北村肇さん、総合司会を文化放送アナウンサーの水谷加奈さんが行いました。
主催者の新聞労連・出版労連・全印総連の三単産を代表して、新聞労連の東海林智委員長が、震災で活字メディアが見直され、被災地の仙台では、新聞輪転機が止まってしまう中、手書きの壁新聞を石巻日日新聞が発行し、ジャーナリズムの原点を示した、と挨拶。その後、電子メディアの出現によって厳しさを増している印刷、出版、新聞の現状を報告。ことばの力、活字の力を再認識しようと、訴えかけました。
椎名さんの講演は、「もし本がなかったら」というタイトル。子供の頃からの読書体験によって、今日があることを、本の虫で冒険家としても知られる椎名さんの「読書と旅」を語りながらの講演に参加者は聞き入りました。
パネルディスカッションは、北村さんの進行で、震災とメディア、読書離れは本当か、電子メディアの今後、文字活字文化を振興させるために我々は何をすべきか、などのテーマで討論が展開されました。また、椎名さんの新聞批判発言に会場から東海林委員長が反論するなどの白熱した場面もあり、本の魅力、新聞や雑誌などのメディアの役割、紙メディアと電子メディアの今後と共存・共生の方向などがパネリストから縦横に語られました。
2回目になる今回のシンポは、活字文化の重要性、本を読み聞かせる大切さ、メディアとジャーナリズムの使命など、再認識させられる企画になりました。
読書体験や冒険談をまじえ講演する椎名誠さん
ことばの力や活字文化の重要性などが縦横に語られたパネルディスカッション
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