求められる働き続けられる職場

印刷出版フォーラム80号

『印刷出版フォーラム80号』が発行されました。25年春夏闘争に活用することを呼びかけます。
「25年春闘アンケートまとめ」では賃上げ要求は平均で前年を1800円下回る2万9419円になり、3万円を切りました。しかし物価上昇が続くもと暮らしは削られています。月の不足額の回答は5万3000円となっています。生計費原則に基づいた要求で生活改善を求めることが重要です。スト権を背景にするなど交渉力向上を引き続き追求、前進を目指しましょう。
職場の不満としては低賃金とともに人手不足、職場の将来不安が上位を占める状況が続いていますが、「仕事がきつい」という声が高まりつつあります。部分的に残業が増えていることと併せて、人員の問題が一部にしわ寄せされていることがうかがえます。労働条件を引き上げ、人が集まり、働き続けられる職場にすることが大切です。
家計調査では賃金が伸び悩むもとで生活を切り下げざるを得ない状況が示されました。二四年、大手を中心に賃上げが喧伝されましたが、中小企業の職場が多い全印総連の「本人の賃金」は1.6%増にとどまっています。物価高のもとで実質賃金が目減りしており、とりわけ住居関連や衣服で買い控えが広がりました。
租税公課負担率は若干下がりましたが、引き続き22.8%と収入の四分の一を占める状況が続いています。大企業の内部留保を中小企業の賃上げに回すことや消費税の減税などによる負担軽減=社会的賃上げの重要性が増しています。
 「ポイント学習」として前年に引き続き実施した東京地連の労使研と合同、院内集会の円卓会議を掲載しています。中小企業庁、公正取引委員会が労務費の価格転嫁促進の発信をさらに強めていることが示されました。もちろん、それを実効あるものするには私たちの運動が欠かせません。そのほか北欧で実現している「豊かな暮らし」のもとになる運動を紹介する講演も収録しています。学習に活用ください。